【1歳後半】突然泣きやすくなるのはなぜ?感情発達の変化

【1歳後半】突然泣きやすくなるのはなぜ?感情発達の変化

結論から言うと、1歳後半で急に泣きやすくなるのは、「感情は強くなるのに、落ち着かせる力はまだ追いつかない」という発達のズレが起きやすい時期だからです。わがままになった、甘えが増えた、しつけが足りない――そう見えてしまう場面もありますが、多くは成長の途中で起きる“揺れ”です。

この記事では、親がいま一番知りたい「なぜ急に泣きやすいのか」を、発達の視点で噛み砕いて説明します。そのうえで、泣きやすい子が落ち着きやすくなる関わり方家でできる現実的な工夫までまとめます。読後に「理由がわかった」「少し楽になった」と感じられる状態を目指します。

「これはイヤイヤ期の始まり?」と迷う場合は、1歳の入口を整理した記事が先に役立つことがあります。
【1歳】「イヤ!」が増えたのはイヤイヤ期の始まり?前兆の見極めポイント


1歳後半で“泣きやすさ”が増えるのは珍しくない

同じ子なのに、数週間〜数か月で急に変わったように感じる。
昨日まで平気だったのに、今日は些細なことで崩れる。
1歳後半(だいたい1歳6か月前後)は、そんな変化が出やすい時期です。

よくある具体例はこんな感じです。

  • 思い通りにならないと、すぐ泣き叫ぶ
  • 「イヤ!」と言うより、泣いて訴えることが増えた
  • 親が少し離れるだけで泣く/後追いが強くなる
  • 外出先や夕方になると機嫌が崩れやすい
  • 眠い・お腹すいた・暑いなどで一気に泣く

この段階の泣きやすさは、親の対応が悪いから起きるというより、脳と心の成長の“仕様”として起きやすいものです。


理由は1つじゃない:泣きやすさが増える「5つの発達変化」

1歳後半の泣きやすさは、単発の原因ではなく、いくつかの変化が重なって起きます。
ここを知っておくと、「また泣いた…」が「今はそういう時期か」に変わりやすいです。

1)気持ちが大きくなる(でも言葉が追いつかない)

1歳後半は、嬉しい・悔しい・怖い・嫌だ、などの感情が前よりはっきり強くなります。
一方で、気持ちを言葉にして整理する力はまだ弱いので、泣く=伝える手段になりやすいです。

たとえば「取られた」「やりたかった」「違う」など、本人の中では理由があるのに、言えない。
それが泣きやすさにつながります。

2)自分でやりたい気持ちが芽生える(失敗が増える)

この時期は、自立心が伸びて「自分でやる」が増えます。
でも当然、まだうまくできない。だから失敗が連続し、泣きにつながります。

「手伝うと怒る」「自分でやると言うのに泣く」という矛盾は、まさにこの時期の特徴です。
より詳しくは、同じ年齢帯の“自分でやりたい”を扱った記事が参考になります。
【1歳】自分でやりたがる・手伝うと怒る理由|発達段階との関連

3)切り替えが苦手(楽しいほど終われない)

1歳後半は、楽しいことに集中できる反面、切り替えが苦手です。
親から見ると「たいしたことないのに泣く」に見えますが、子どもにとっては「終わり」が大事件です。

終わりの合図がない、急に取り上げられる、急に移動する。
そうした場面で泣きやすくなります。

4)安心できる人ほど泣く(甘えの出方が変わる)

園や外では平気なのに、家でだけ泣きやすい。
それは「家が安全だから」起きることがあります。

この時期は、親との関係が安定してくるほど、安心できる相手に感情を出すこともあります。
ここを「家でだけ荒れる=親がなめられている」と捉えると、しんどさが増えます。

安心感と行動の関係は、愛着の視点で整理するとわかりやすいです。
イヤイヤ期と愛着形成の関係|安心感が行動に与える影響と親の関わり方

5)疲れやすい(体力と刺激が追いつかない)

1歳後半は歩く範囲が広がり、情報も入ってくる量が増えます。
でも回復力はまだ弱い。疲れると、理性より感情が先に出ます。

特に泣きやすいのは、

  • 夕方
  • 外出の帰り
  • 眠いのに寝られないとき
  • 空腹の前後

この「疲れ・空腹・眠気」が背景にあるときは、声かけを工夫するより、先に休ませるほうが早いです。


「泣きやすい=イヤイヤ期?」見分けで大事なのは“中身”

泣きやすさが増えると、「もうイヤイヤ期?」と不安になります。
実際、1歳後半はイヤイヤ期の入口と重なることもありますが、ポイントは年齢より泣き方の中身です。

よくある状態 背景として多いもの 親の関わりの方向性
思い通りにならず泣く 自立心と失敗の増加 少しだけ手を貸して成功体験へ
急に泣き出す/止まらない 疲労・刺激過多・眠気 落ち着く環境へ移す(静かに、短く)
「違う!」が強い こだわりの芽生え・切り替えの苦手 終わりの合図・2択で見通しを作る
親にベッタリで泣く 分離不安・安心確認 いなくならない保証を短く伝える

「イヤイヤ期の始まりかどうか」をより正面から確認したい方は、こちらが近道です。
【1歳】「イヤ!」が増えたのはイヤイヤ期の始まり?前兆の見極めポイント


親がいちばん困るのは「泣き方が変わった」とき

1歳後半の泣きやすさで、親が一番しんどいのは、泣いていることそのものより、

  • 理由がわからない
  • 何をしてもダメに見える
  • 前は通じたのに通じない

という“手応えのなさ”です。
でも、これは親が下手になったわけではなく、子ども側の発達が進み、要求が複雑になっている影響が大きいです。

この時期に効きやすいのは、長い説明や説得ではなく、短く・具体的な声かけです。
(ここは後半で、場面別のフレーズと手順としてまとめます)

「説明してるのに悪化する」「言えば言うほど泣く」という悩みが強い方は、声かけの構造をこちらで先に掴むとラクになります。
説明しているのに悪化する理由|親の話が長すぎると起きること


ここまでのまとめ:泣きやすさは“発達の揺れ”として起きやすい

1歳後半で泣きやすくなる主な理由は、

  • 感情は強くなるが、言葉・切り替えは未熟
  • 自分でやりたいが、失敗が増える
  • 安心できる相手ほど甘えが出る
  • 疲れやすく、刺激の影響が大きい

この組み合わせが、親から見える“突然の変化”になります。
次のパートでは、ここから一歩進めて、泣きやすい子が落ち着きやすくなる家庭の工夫を、状況別にまとめます。

泣きやすい時期に効きやすい「3つの基本方針」

1歳後半の泣きやすさは、「説得」「正論」「説明」で止まることが少ないです。
うまくいきやすい家庭は、泣きをゼロにするより、崩れ方を小さくして回復を早める方向に舵を切っています。

方針1:落ち着く前は“教えない”

泣いている最中は、子どもの頭の中が「考えるモード」ではありません。
この状態で「だからダメなんだよ」「さっき言ったでしょ」と言うほど、泣きが長引きやすくなります。

方針2:親の言葉を短くする(5〜7語くらい)

この時期は長い説明ほど入らず、逆に刺激になります。
「わかったよ」「そっか」「こわかったね」など、短い言葉が効きやすいです。

方針3:泣きの“きっかけ”を減らす(環境で勝つ)

泣きが増えるほど親は消耗します。気合いで勝つより、引き金を減らした方がラクです。
たとえば、

  • 夕方は予定を詰めない(疲れやすい時間)
  • 外出後は「まず水分・おやつ・抱っこ」から
  • 切り替えが必要な前に予告を入れる

場面別:突然泣きやすいときの“現実的な対応”

「何をすればいいか」を迷わないよう、よくある場面での手順に落とします。
完璧にやる必要はありません。1つでも当たるものがあれば十分です。

① 思い通りにならず泣く(おもちゃ・順番・取り上げ)

このタイプは「悔しさ」や「自分で決めたい」が背景です。
ポイントは、要求を全部通すのではなく、“選べる形”にして渡すことです。

  • 親:まず短く共感(「悔しかったね」)
  • 親:次に選択肢(「赤と青、どっちにする?」)
  • 親:決めたら即実行(待たせない)

選択肢が効く理由と使い方は、こちらで具体例つきで整理しています。
選択肢を出す声かけはなぜ効く?イヤイヤ期に有効な理由と使い方

② 自分でやりたいのに、できなくて泣く(服・靴・食事など)

この時期は“やりたい”が先に立つので、失敗が続くと一気に崩れます。
コツは、全部やらせる/全部手伝うの二択にせず、「難しいところだけ手伝う」です。

  • 「ここだけ手伝うね」(全部奪わない)
  • 成功したら「できた!」を一緒に味わう(結果より体験)
  • 時間がない日は“難易度を下げる”(最初から手伝う宣言もOK)

「手伝うと怒る」問題が強い場合は、年齢別で起きる理由をこちらで深掘りしています。
【1歳】自分でやりたがる・手伝うと怒る理由|発達段階との関連

③ 眠い・疲れた・空腹で泣く(夕方・外出後に多い)

このタイプは“気持ちの問題”というより、体の限界に近いです。
声かけを工夫するより、先に回復させた方が早いです。

  • 帰宅後は「抱っこ→水分→軽い補食」
  • 夕方は“要求が通らない”前提で予定を軽くする
  • 寝る前は刺激を減らす(動画・強い遊びを切る)

睡眠や生活リズムが荒れに影響する構造は、こちらの記事が参考になります。
イヤイヤ期と睡眠・食事の関係|生活リズムが与える影響

④ 理由がわからないのに泣く(何をしてもダメに見える)

親がいちばん削られるパターンです。
この場合は「原因を当てる」より、落ち着く型を固定した方がうまくいきます。

おすすめの型はこの順番です。

  1. 安全確保(抱っこ、場所移動)
  2. 短く共感(「つらかったね」)
  3. 言葉を減らす(質問しない)
  4. 落ち着いたら、次に移す(お茶、絵本、窓を見る等)

「共感しているのに伝わらない」「逆に悪化する」場合は、共感のズレを扱った記事が役に立ちます。
共感しているのに伝わらない理由|イヤイヤ期の声かけが空回りする原因


すぐ使える:泣きやすい子に通りやすい“短い声かけ”例

1歳後半は、言葉で落ち着かせるというより、言葉で刺激を増やさないイメージが近いです。
使いやすいフレーズを、状況別にまとめます。

場面 短い声かけ例 意図
悔しい 「くやしかったね」 気持ちを代弁して落ち着かせる
怖い・不安 「大丈夫、ここにいるよ」 安心確認
切り替え 「あと1回。終わったら移動」 見通しを作る
自分でやりたい 「ここだけ手伝うね」 奪わずに支える
荒れている 「いったん抱っこ」 環境を変えて回復へ

「短い声かけ」がなぜ効くのか・どんな場面で使うかは、こちらの記事でさらに具体的に解説しています。
イヤイヤを落ち着かせたいときの短い声かけ|長い説明が逆効果な理由


「泣きやすい」が長引きやすい家庭で起きがちな落とし穴

ここは大事なので、あえて先に書きます。
泣きやすい時期に親がやりがちな“逆効果になりやすいパターン”は、次の3つです。

  • 理由を聞きすぎる(「どうしたの?」「なんで?」が続く)
  • 説得を続ける(落ち着く前に教えようとする)
  • 親が抱え込む(交代せず消耗して爆発)

「どうしたの?」が通じにくい理由は、まさに1歳後半の発達が関係します。
「どうしたの?」が通じない理由|イヤイヤ期に質問が効かない背景

また、親が疲れ切ると、子どもの泣きに反応しやすくなり、ループが強まります。
“親の回復”が主題になっている場合は、こちらの記事の方が先に効くこともあります。
イヤイヤ対応で心身ともに疲れ切ったとき|限界サインと休む判断基準


よくあるQ&A:1歳後半の泣きやすさで不安になりやすいこと

Q1. 急に泣きやすくなった。発達に問題がある?

多くは発達の過程で起きる変化ですが、心配が強いときは「その子らしさの範囲か」を見ていくのが現実的です。
たとえば、睡眠・食事・体調の影響が大きい、環境変化があった、などの要因がある場合は、まずそこを整えるだけで落ち着くこともよくあります。

「発達障害とどう違う?」の不安が強い場合は、違いを丁寧に整理した記事が役立ちます。
イヤイヤ期と発達障害の違いはどこ?基本的な見分け方

Q2. 家では泣くのに、外では平気。親が悪い?

親が悪いというより、家が安心できる場所で、気持ちを出しやすいという影響が大きいです。
外では緊張して頑張り、家で“ほどける”。この流れは珍しくありません。

Q3. いつまで続く?

「突然泣きやすい」状態は、成長と環境の影響で波が出ます。
数週間で落ち着く子もいれば、2歳前後のイヤイヤ期に重なって、しばらく続く子もいます。

2歳以降の典型的な流れを押さえておきたい方は、こちらが参考になります。
【2歳】イヤイヤ期はいつから始まる?平均的な開始時期と個人差


専門家の視点|精神科医が解説するイヤイヤ期の考え方

1歳後半は、感情の幅が広がり、「やりたい」「イヤ」「不安」などの気持ちが強くなる一方で、気持ちを言葉で整理したり、切り替えたりする機能はまだ未熟です。そのため、泣きやすさが増えるのは“性格”というより、発達の段階として起こりやすい反応です。親ができるのは、泣きを止めることより、安心して落ち着ける道筋を作ること。短い言葉、予告、環境調整で回復しやすくなります。

育児に取り組むパパ・ママへ

急に泣きやすくなると、毎日が長く感じますよね。でも、今日も向き合っている時点で、あなたは十分に頑張っています。

この記事が役に立ったら、他の記事も参考にしてみてくださいね。
👉 目次:イヤイヤ期のすべて【完全版】|いつからいつまで?原因・対処法・年齢別・場面別まとめ

コメント