イヤイヤ期に同じ要求を何度も繰り返すのはなぜ?|親の適切な関わり方を解説




イヤイヤ期に同じ要求を何度も繰り返すのはなぜ?|親の適切な関わり方を解説

イヤイヤ期に同じ要求を何度も繰り返すのはなぜ?|親の適切な関わり方を解説

「さっきダメって言ったでしょ!」「もう10回目だよ……」

イヤイヤ期のお子さんを育てていると、「同じ要求を何度も、しつこいほど繰り返される」という壁にぶつかることがよくあります。お菓子が欲しい、まだ遊びたい、あの動画が見たい。一度断っても、まるでこちらの言葉が届いていないかのように何度も同じことを要求されると、親としても精神的に追い詰められてしまいますよね。

実は、子どもが同じ要求を繰り返すのには、単なる「わがまま」ではない脳と心の発達上の理由があります。理由がわかれば、イライラを少しだけ「あぁ、今はこういう時期なんだな」という安心感に変えられるかもしれません。

この記事では、児童心理学の視点から、イヤイヤ期特有の「繰り返す要求」の正体と、親子のストレスを最小限に抑える具体的な関わり方を解説します。


なぜ?イヤイヤ期に同じ要求を何度も繰り返す3つの心理

子どもが壊れたレコードのように同じことを言い続けるとき、子どもの中では何が起きているのでしょうか。主な理由は大きく分けて3つあります。

1. 「ワーキングメモリ」がまだ未発達だから

ワーキングメモリとは、脳に入ってきた情報を一時的に保持し、処理する能力のことです。「さっきママがダメって言った」という記憶を留めておきながら、自分の「やりたい」という感情をコントロールするのは、2歳〜3歳の子どもにとっては非常に高度な作業です。

感情が高ぶると、さっき聞いたはずの「おしまいだよ」という言葉が脳からこぼれ落ちてしまい、本人は「初めてお願いする気持ち」で繰り返していることさえあるのです。

2. 自分の要求が「どこまで通るか」を確認している(境界線の確認)

子どもは成長とともに、「自分と親は別の人間だ」と理解し始めます。これを心理学で自律性の発達と呼びます。何度も同じ要求をするのは、ママやパパの反応を試し、「どこまでが許されて、どこからがダメなのか」という世界のルール(境界線)を確認している作業でもあります。

3. 言葉の裏にある「安心感」を求めている

意外かもしれませんが、要求そのものよりも「親とのやり取り」を求めているケースがあります。イヤイヤ期は自立したい気持ちと甘えたい気持ちが揺れ動く時期です。何度も要求し、親がそれに応答してくれることで、自分に注目が向いているという安心感を再確認しているのです。

「しつこい要求」への適切な関わり方と3つのコツ

「もう言わないで!」と感情的に突き放すと、子どもはさらに不安になり、要求がエスカレートする悪循環に陥ります。以下のコツを参考に対応してみましょう。

①まずは気持ちを100%「代弁」する

結論から言うと、要求を飲む必要はありません。しかし、気持ちを否定してはいけません。

  • 「まだチョコ食べたかったんだね。甘くておいしいもんね」
  • 「公園でまだ遊びたかったんだ。滑り台、楽しかったもんね」

このように、子どもの「欲求」そのものを言葉にして返してあげてください。これだけで、子どもは「自分の気持ちは届いた」と一瞬満足し、脳の興奮が少しだけ収まります。

②「ダメ」の理由を短く、一貫して伝える

説明が長すぎると、子どもの脳は処理しきれません。理由はシンプルに、かつ毎回同じ内容で伝えます。

「ご飯の前だから、今日はおしまい」「もうお外が暗いから、おうちに帰ろう」など。
ここで親の回答がコロコロ変わると、子どもは「もっと言えば変わるかも?」と期待して、さらに要求を繰り返すようになります。一貫性を持たせることは、子どもに安心感を与えるしつけの基本です。

③視線をそらす「代替案」を提示する

「ダメ」で終わらせず、別の楽しいことに意識を向けさせます。

現在の要求(拒否するもの) 代替案の例
お菓子をもう一個食べたい 「明日の朝ごはんに大好きなイチゴを食べようか!」
YouTubeをまだ見たい 「どっちの絵本を読んで寝る?選んでくれる?」
公園から帰りたくない 「おうちまでどっちが早く歩けるか競争しよう!」
このように、「選ばせる」手法は自己主張の強い時期に非常に有効です。以下の記事も参考に、日々の会話に取り入れてみてください。
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イヤイヤ期の原因・対応・関わり方を専門家視点で解説

やってしまいがちな「逆効果」な対応

親も人間ですから、何度も言われるとつい感情的になってしまいますよね。しかし、以下の対応は結果的に「繰り返す要求」を長引かせることがあります。

  • 「交渉」をしてしまう:「あと1回だけだよ」と言って約束を守れなかった場合、子どもは「粘ればいける」と学習します。
  • 無視し続ける:完全に無視されると、子どもは存在を認めてもらおうと、より大きな声で、より過激な行動(物を投げるなど)で要求を伝えるようになります。
  • 「なんでそんなこと言うの!」と質問する:2歳児に論理的な理由は答えられません。質問攻めは子どもを混乱させるだけです。
特に、質問が通じない背景については以下の記事で詳しく紹介しています。質問する代わりに親が「こうしたいんだね」と代弁してあげると子どもの心は落ち着きやすいのです。
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イヤイヤ期の原因・対応・関わり方を専門家視点で解説

【チェックリスト】親のメンタルを守るために

「何度も繰り返す要求」に付き合っていると、親の側が限界を迎えてしまいます。以下の項目をチェックして、少しでも肩の力を抜いてください。

「10回言われても1回返せばOK」と考える
全ての要求に全力で向き合う必要はありません。家事をしている時は「聞こえているよ、でも今はできないよ」というスタンスで十分です。

「育て方」のせいだと思わない
しつこく要求するのは、お子さんの意志が強く、順調に育っている証拠です。あなたの育て方が甘いからではありません。

場所を変える

同じ部屋にいると煮詰まってしまいます。ベランダに出て空を見たり、別の部屋へ移動したりして、物理的な距離を取るのも有効です。


まとめ|繰り返しの先にある成長

イヤイヤ期に同じ要求を繰り返すのは、子どもが「自分」という存在を確立しようともがいている、尊い成長のプロセスです。とはいえ、毎日それに応じるのは至難の業。完璧を目指さず、「また始まったな、脳のトレーニング中なんだな」と一歩引いて眺められる時間が増えることを願っています。

専門家の視点|精神科医が解説するイヤイヤ期の考え方

精神医学の観点から見れば、この時期の執拗な繰り返しは「強迫」ではなく、前頭前野(感情や行動を制御する脳の部位)が未成熟なために起こる自然な現象です。親が「一貫した拒否」と「一貫した共感」をセットで見せ続けることで、子どもは徐々に社会的なルールと自己抑制を学んでいきます。今は大変ですが、このやり取りこそが将来の自制心の土台となります。

育児に取り組むパパ・ママへ

何度も同じことを言われる毎日は、本当に根気がいりますよね。今日一日、お子さんと向き合った自分を「よく頑張った!」と、ぜひ寝る前に褒めてあげてください。

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