イヤイヤ期と自己肯定感の関係|関わり方で変わるポイントと家庭でできる工夫
結論から言うと、イヤイヤ期は自己肯定感が下がる時期ではなく、むしろ「自己肯定感の土台が育ちやすい時期」です。
ただし、親が毎日疲れ切っていたり、叱る・否定する言葉が増え続けたりすると、子どもは「自分はダメなのかな」と感じやすくなり、親も「こんな育て方でいいの?」と罪悪感が強まります。だからこそ大事なのは、完璧な対応ではなく、日々の関わりの“方向性”を整えることです。
この記事では、「イヤイヤ期の対応って、自己肯定感に悪影響なの?」「どう関われば“土台”が育つの?」
に焦点を当てて、家庭でできる工夫を具体的にまとめます。
そもそも「自己肯定感」って何?イヤイヤ期の親が誤解しやすいポイント
自己肯定感という言葉はよく聞きますが、育児で大事なのは「根拠のない自信」ではありません。
この時期の子にとっての自己肯定感は、ざっくり言うと次の2つです。
- 自分は大切にされている(安心感・愛されている感覚)
- 自分でやれることが増えてきた(小さな有能感・できた感)
つまり、イヤイヤ期の自己肯定感は「褒め続ける」よりも、
- 安心できる関係の中で
- 自分で選ぶ・やってみる経験が増える
この積み重ねで育ちます。
なお「自己肯定感」と混同しやすいのが「甘やかし」です。
「好き放題させたら自己肯定感が上がるのでは?」と不安な方は、誤解がほどけます。
イヤイヤ期は甘やかすと悪化する?よくある誤解と事実
イヤイヤ期が自己肯定感に関係する理由|この時期は“自分”が芽生える
イヤイヤ期は、子どもが突然わがままになったわけではありません。
発達の中で「自分」という感覚が強くなり、自分の意思を試す時期です。
イヤイヤ期に起きていること(やさしく整理)
- 「自分で決めたい」が強くなる
- でも感情を調整する力はまだ未熟
- 言葉でうまく伝えられないことも多い
- 疲れや空腹などの影響を強く受ける
この時期の「イヤ!」は、単なる反抗というより、自分を確かめる行動でもあります。
背景を発達の視点で深掘りしたい方は、ここが土台になります。
イヤイヤ期はなぜ起こる?脳と心の発達から見る本当の理由
だからこそ、親の関わり方次第で、子どもは
- 「自分の気持ちは受け止めてもらえる」
- 「でも、やっていいこと・ダメなことはある」
という感覚を学びます。
「自己肯定感が下がる対応」になりやすいのはどんなとき?
ここは怖がらせるためではなく、親が自分を責めないための整理です。
自己肯定感に影響しやすいのは、単発の失敗より、同じパターンが続くことです。
要注意になりやすいパターン
| 起きやすい状況 | 親の反応 | 子どもに残りやすい受け止め |
|---|---|---|
| 余裕がなく毎日叱ってしまう | 否定・禁止が多くなる | 「自分はいつもダメと言われる」 |
| 親が感情的に爆発する | 怒鳴る・強い言葉が続く | 「気持ちを出すと怖いことが起きる」 |
| “いい子のときだけ”関心が向く | できた時だけ注目 | 「うまくできない自分は価値がない?」 |
| 比較が増える | 兄弟・他の子と比べる | 「自分は足りない」 |
とはいえ、親も人間です。毎日完璧にできなくて当たり前。
もし「ダメ」「叱る」が増えすぎて苦しくなっているなら、まず先にこちらで立て直しの考え方を掴むとラクになります。
イヤイヤ期に「ダメ」が増えすぎるとどうなる?|言いすぎてしまう理由と対処のヒント
自己肯定感を育てる関わり方の核心は「気持ちはOK、行動は線引き」
イヤイヤ期の自己肯定感を支えるコツは、派手な教育ではなく、毎日の小さなやり取りです。
特に効きやすいのは、この考え方。
- 気持ち:「イヤだったね」「悔しかったね」→ OK
- 行動:「叩くのはダメ」「危ないことは止める」→ 線引き
これを続けると、子どもは「自分の気持ちを持っていていい」と感じやすくなります。
同時に、「やっていいこと・ダメなことがある」も学べます。
この「安心感の土台」については、愛着の視点で読むと理解が深まります。
イヤイヤ期と愛着形成の関係|安心感が行動に与える影響と親の関わり方
家庭でできる工夫①:自己肯定感を支える「3つの声かけ」
声かけは、上手い言い回しを増やすより、役割が違う3種類を持つのがコツです。
1)気持ちの代弁(落ち着く土台)
- 「イヤだったんだね」
- 「やりたかったよね」
- 「悔しかったね」
ポイントは、正解を当てることではなく「分かろうとしている」姿勢です。
2)できた・できそうを見つける(小さな有能感)
- 「自分でやろうとしてたね」
- 「最後まで持てたね」
- 「前より早くできたね」
「すごい!」より、行動の具体を言葉にする方が、子どもに届きやすいです。
3)選べる形にする(自分で決めた感)
- 「靴は赤と青、どっち?」
- 「先に手洗い?それともトイレ?」
- 「抱っこで行く?手つなぐ?」
選択肢が効く理由や出し方は、ここでさらに具体例を増やせます。
選択肢を出す声かけはなぜ効く?イヤイヤ期に有効な理由と使い方
家庭でできる工夫②:「否定が増えやすい場面」を先に潰す(環境と段取り)
自己肯定感を育てるために、親が頑張って優しく話す…よりも、そもそも揉めない設計の方が効くことが多いです。
揉めやすい場面はだいたい決まっている
- 急いでいる(朝・外出前)
- 疲れている(夕方〜寝る前)
- 切り替えが必要(動画を消す、帰る、終わりにする)
先回りの工夫(今日からできる)
- 見通し:「あと2分で終わり」「最後に1回」
- 選択:「今やる/あとでやる」ではなく「AかB」
- できる量に分ける:1回で全部やらせない(靴→帽子→上着)
- 疲労対策:夕方は難易度を下げる(ルールを増やさない)
「うちの子は切り替えが本当に苦手…」という場合は、年齢×特性の視点で整理すると対応が組み立てやすいです。
【2歳】切り替えができないのはなぜ?|イヤイヤ期がひどくなる理由と対処法
家庭でできる工夫③:「叱り方」を変えると、自己肯定感は守れる
自己肯定感を下げやすいのは、叱ることそのものより、
- 人格を否定する
- 長時間説教する
- 親の感情が大きく乗る
といった形になったときです。
守りたい基本:叱るのは「行動」だけ
- ×「なんでそんな子なの」
- ○「叩くのはダメ。手は止めよう」
叱った後がむしろ大事(関係を戻す)
叱った後に「嫌われた」「怖かった」が残ると、親子の安心感が揺らぎやすいです。
フォローの型を知っておくと、自己肯定感を守りながら線引きできます。
叱った後にどう立て直すかは、ここが一番まとまっています。
叱った後のフォローで親子関係が変わる理由
「私の対応で自己肯定感が下がったらどうしよう…」という不安への答え
この検索をしている時点で、あなたはもう「子どもの心を大事にしたい」と思っている人です。
自己肯定感を大きく左右するのは、毎日一度も怒らないことではなく、
- 困ったときに立て直せる
- 関係を戻す言葉がある
- 子どもが安心できる時間が日々ある
この積み重ねです。
不安になったときのチェック(自分を責めないために)
- 1日のどこかで、子どもと笑えた瞬間はある
- 叱った後に、少しでも関係を戻せている
- 子どもが甘えられる相手が家庭にいる
- 「できた」を1つでも見つけて言葉にしている
全部できなくて大丈夫です。1つあれば十分に前進です。
専門家の視点|精神科医が解説するイヤイヤ期の考え方
イヤイヤ期は「自己肯定感が壊れる時期」ではなく、自己の芽生えを支える時期です。大人でいう自己肯定感は、幼児期には「安心できる関係」と「自分でできた経験」の積み重ねとして育ちます。親が完璧に感情を抑える必要はありませんが、気持ちは受け止め、行動は線引きし、叱った後に関係を戻す——この流れがあると、子どもは「自分は大切にされている」と感じやすくなります。家庭でできる工夫は、言葉だけで頑張るより、揉めやすい場面の難易度を下げる(見通し・選択肢・疲労対策)ことが効果的です。
育児に取り組むパパ・ママへ
不安になるのは、子どもの気持ちを大切にしたいからこそ。今日できた小さな工夫は、ちゃんと子どもの安心につながっています。
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