イヤイヤ期に「ダメ」が増えすぎるとどうなる?|言いすぎてしまう理由と対処のヒント
結論から言うと、イヤイヤ期に「ダメ!」が増えすぎると、親子ともに消耗が強くなり、その結果としてイヤイヤが“長引いているように感じる”悪循環に入りやすくなります。
ただし、ここで大事な前提があります。
「ダメ」が増えた=あなたが悪い親、ではありません。
1〜3歳は、危険も増えるし、自己主張も強くなるし、親の余裕も削られやすい時期です。言いすぎてしまうのは、むしろ「守ろう」「育てよう」としている証拠でもあります。
この記事では、「ダメ」が増えすぎることで起きやすい影響を、必要以上に怖がらせずに整理し、今日からできる“減らし方”を具体例つきで紹介します。読後に「少し楽になった」と思える状態を目指します。
まず確認:「ダメ」が増えるのは“親の性格”ではなく状況の問題
「ダメって言わないようにしよう」と決意しても、現実はこうなりがちです。
- 危ないことが増える(走る・投げる・叩く・登る)
- 時間に追われる(保育園・仕事・家事・下の子)
- 外出先で周りの目が気になる
- 親も寝不足・疲労で余裕がない
つまり、「ダメ」が増えるのは根性不足ではなく、環境と負荷の問題になりやすいんですね。
(この前提を押さえないと、“自分を責めてさらに余裕が減る”ループに入ります)
「そもそもイヤイヤ期って何が起きているの?」を発達の視点で整理したい方は、ここを読むと土台が整います。
イヤイヤ期はなぜ起こる?脳と心の発達から見る本当の理由
「ダメ」が増えすぎるとどうなる?起きやすい変化を冷静に整理
結論としては、
- 短期的:親子のストレスが上がり、揉める回数が増える
- 中期的:子どもが「何をすればいいか」より「止められること」に意識が向きやすい
- 親側:罪悪感・自己嫌悪が強まり、さらに言い方がきつくなりやすい
という方向に傾くことがあります。
ただし誤解しないでほしいのは、「ダメ」と言ったから子どもの心が壊れるという話ではありません。
問題になりやすいのは、「ダメ」が多いこと自体というより、ダメが増えて親子の関係が“毎日ギスギスする状態”が続くことです。
起きやすい変化を表で整理
| 起きやすいこと | 親側で起きやすい変化 | 子ども側で起きやすい反応 |
|---|---|---|
| 注意・禁止が増える | 常に警戒モードで疲れる | 反発・泣く・逃げるが増える |
| 言い方が強くなる | 自己嫌悪→さらに余裕が減る | 聞こえていても受け止めきれない |
| “やめられない場面”が増える | 短時間で終わらせたくなる | 切り替えが難しく癇癪が長引く |
| 親子の空気が重くなる | 成功体験が減ってつらい | 安心感が減り、余計に崩れやすい |
特に、イヤイヤ期は「切り替えができない」「長い説明が入らない」時期なので、ダメ→さらに荒れるが起きやすい構造があります。
「ダメ」を言いすぎてしまう理由は5つ(ここを理解すると自責が減る)
「なんで私はこんなに『ダメ』って言っちゃうんだろう…」と悩む方ほど、まず理由を知ってほしいです。多くの場合、理由は似ています。
理由①:危険回避が最優先になる(親の脳が“警報モード”)
道路への飛び出し、階段、物を投げる、叩く。
危険があると、親の脳は「教育」より「安全」に振り切れます。だから言葉も短く強くなる。これは自然な反応です。
理由②:時間制限がある(急ぎほど言葉が硬くなる)
出発時間・寝る時間・園の締切。
“待つ余裕”がないと、選択肢や共感を挟む余地が減り、結果として「ダメ!」が出やすくなります。
理由③:子どもが理解していないのではなく“切り替えられない”
親は「言えば分かるはず」と思いがちですが、イヤイヤ期は「分かる」と「できる」が別です。
このズレが大きいほど、親は同じ注意を繰り返しやすくなります。
「できること・できないこと」の境目を整理すると、親の期待値が整ってラクになります。
イヤイヤ期にできること・できないことの境界線
理由④:「伝わらない」経験が続き、言葉が強くなっていく
何度言ってもやめないと、親は声を強くしがちです。
でも子どもが荒れている時は、強い言葉ほどさらに荒れることもあります。
“逆効果になりやすい言い方”を知っておくと、ダメを減らす近道になります。
イヤイヤ期に逆効果になりやすい声かけとは?言ってはいけない言葉と理由
理由⑤:親の疲労・ストレスが限界に近い
寝不足、孤立、仕事、家事。疲れていると、言葉はどうしても短くなり、余裕も減ります。
“ダメが増える”のは、親の状態が苦しいサインでもあります。
「最近ほんと限界…」と感じる方は、まずここを読んだ方がいいです。回復の入り口が見えます。
毎日イライラしてしまうのは普通?イヤイヤ期に親の感情が荒れる本当の理由
「ダメ」を減らすコツは、“言わない”より“通りやすく言い換える”
ここが今日いちばん役に立つポイントです。
イヤイヤ期に「ダメをゼロにする」は現実的ではありません。危険は止める必要があります。
なので目標はこう置くのがおすすめです。
- ダメを減らす:必要ない場面の「ダメ」を削る
- ダメを変える:止めたいときの言い方を“通りやすい形”にする
言い換えの基本ルール(覚えるのはこれだけ)
- 否定(×)よりやってほしい行動(○)を言う
- 長い説明(×)より短い指示(○)
- 感情の否定(×)より気持ちの代弁+行動の線引き(○)
よくある場面の「ダメ」言い換え例
| つい言いがち | 言い換え例 | 狙い |
|---|---|---|
| ダメ!走らない! | 歩こう。手つなぐよ。 | やる行動を明確に |
| 触っちゃダメ! | これは見るだけ。こっちは触ってOK。 | OKの代替を用意 |
| うるさい!静かに! | 小さい声でね。ひそひそで言える? | 具体的な基準に |
| もうやめなさい! | あと1回でおしまい。終わったら抱っこ。 | 終わりの見通し |
| 泣かない! | 悔しかったね。落ち着いたら一緒にやろう。 | 感情OK+収束へ |
言い換えをもっと場面別に増やしたい人は、以下の記事がそのまま使えます。
「ダメ!」を減らすとイヤイヤが落ち着く?言い換えフレーズ実例集
それでも「ダメ!」が必要な場面はある(むしろ言ってOK)
ここは罪悪感を減らすために、はっきり線引きします。
イヤイヤ期でも、次の場面は短く強く止めてOKです。
「即ストップ」が必要なケース
- 道路に飛び出しそう
- 高いところから落ちそう
- 叩く・噛む・物を投げるなど、人が傷つく
- 危険物(刃物・薬・コンセント等)に触る
このときのポイントは、「ダメ」と言うことではなく、
- まず身体で安全確保(抱える、距離を取る)
- 短く言う(危ない、止まって)
- 落ち着いてから説明
の順番です。
「ダメ」が減らない家庭ほど効く:環境を整えると、言葉が自然に減る
言葉だけで頑張ると限界が来ます。
イヤイヤ期は、環境の工夫が最強です。
家の中でできる“ダメが減る仕組み”チェック
- 触ってほしくないものは、見える場所に置かない(目に入ると触りたくなる)
- 登って危ない家具は、登りにくくする(踏み台になる物を撤去)
- 投げる子には「投げてOKコーナー」を用意(ボール・クッション等)
- おもちゃの量を一時的に減らす(散らかる→叱るが増える)
- “禁止ゾーン”を減らし、“OKゾーン”を増やす
環境が整うと、親は「止めなきゃ」が減るので、結果として「ダメ」も減ります。
「言いすぎた…」の後にやると、親子関係がこじれにくいリカバリー
イヤイヤ期は、言いすぎない日を作るより、言いすぎた後に立て直すほうが現実的です。
リカバリーの型(30秒でOK)
- 親がひと息(深呼吸1回でいい)
- 短く言い直す:「さっき大きい声で言っちゃった。ごめんね。」
- 行動の線は変えない:「でも叩くのはダメ。手は止めよう。」
- 次の一手を提示:「ぎゅーする?水飲む?」
謝ると甘やかしになるのでは?と不安な方もいますが、これは「ルールを撤回する」ではなく、関係を整える行動です。親の落ち着きが戻ると、次のイヤイヤも短くなりやすいです。
「ダメ」が多すぎて苦しい…と感じたときの目安(抱え込まないために)
最後に、必要以上に怖がらせる意図はありませんが、親がつらいときの目安は置いておきます。
相談や支援を考えていいサイン
- 毎日「怒鳴ってしまう」「手が出そうで怖い」が続く
- 親が眠れない・食べられない・涙が出るなど心身が限界
- 子どもの癇癪が激しく、家庭が回らない
- 安全確保が難しく、家でも外でも危険が多い
こういうときは、親の力不足ではなく、負荷が高すぎる状態です。
「自分が壊れそう」と感じるなら、早めに支援につながった方が回復が早いです。
専門家の視点|精神科医が解説するイヤイヤ期の考え方
イヤイヤ期の「ダメ」が増える背景には、子どもの発達(切り替え・衝動のコントロールが未熟)だけでなく、親の疲労や生活の制約(時間・安全・周囲の目)が大きく影響します。重要なのは、ダメをゼロにすることではなく、必要な場面だけ短く止めて、不要な場面は“やってほしい行動”に置き換えることです。さらに、環境調整で“止める回数そのもの”を減らすと、親子の消耗が軽くなりやすいです。
育児に取り組むパパ・ママへ
「また言っちゃった…」と苦しくなるほど、あなたは真剣に向き合っているんだと思います。完璧じゃなくて大丈夫。今日ひとつでも工夫できたら、それは十分な前進です。
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