イヤイヤ期に親が知っておきたい基本原則まとめ|対応に迷ったときの判断基準
結論から言うと、イヤイヤ期の対応で迷ったときは「今はしつけの場か」「落ち着くのを優先する場か」を先に分けると、ほとんどの場面で道筋が見えます。イヤイヤ期は“親の技術不足”ではなく、子どもの発達と疲れ・環境が重なって起きるもの。だからこそ、毎回100点を狙うより、外さない基本原則を持っていることが一番ラクになります。
この記事では、1〜3歳の保護者が「今いちばん知りたい」対応の土台になる考え方を、できるだけ実践形でまとめます。読み終わるころには、よくある場面でどう行動すべきか迷いにくくなる状態を目指しましょう。
もし「そもそもイヤイヤ期って何?」がまだ曖昧なら、最初にここを読むと理解がスムーズです。
イヤイヤ期とは何?定義と意味をわかりやすく解説
- イヤイヤ期の基本原則は「子どもを変える」より「場を整える」
- 迷ったときの最優先:今は「落ち着く」が先?「教える」が先?
- 基本原則1:まず“共感”はする。でも、要求は必ずしも通さない
- 基本原則2:「選択肢」は最強。親の願いを通しながら、子どもの“決めたい”も守れる
- 基本原則3:長い説明は逆効果。言葉は「短く」「先に」「1つだけ」
- 基本原則4:「ダメ」を増やすほど荒れやすい。止めるときは“代わりの行動”までセット
- 基本原則5:「切り替え」は才能じゃない。見通しで作れる
- 基本原則6:荒れているときは“その場を変える”のが早い(本人を変えようとしない)
- 基本原則7:イヤイヤは「波がある」のが普通。良くなったり戻ったりする
- 場面別:よく迷うところだけ“型”を作ると、毎日の消耗が減る
- やってしまいがちだけど逆効果:イヤイヤ期で“燃えやすい”対応
- チェックリスト:迷ったときに見る“早見表”
- 親がしんどいときの基本原則:守る順番は「子ども→親→家の体裁」
- 専門家の視点|精神科医が解説するイヤイヤ期の考え方
- 育児に取り組むパパ・ママへ
イヤイヤ期の基本原則は「子どもを変える」より「場を整える」
イヤイヤ期の子は、わざと困らせたいわけではありません。
「自分で決めたい」「思った通りにしたい」という気持ちが育つ一方で、気持ちの切り替えや言語化はまだ発展途上です。
つまり、子ども本人の中で“気持ちのエンジン”だけが先に強くなっている状態。
この時期に効果が出やすいのは、説得や長い説明ではなく、
- 選びやすくする(選択肢)
- 見通しを作る(予告)
- 刺激を減らす(休憩・場所移動)
- 親の言葉を短くする
といった環境側の工夫です。
「なぜこうなるのか」を脳と心の発達から理解しておくと、対応の軸がブレにくくなります。
イヤイヤ期はなぜ起こる?脳と心の発達から見る本当の理由
迷ったときの最優先:今は「落ち着く」が先?「教える」が先?
イヤイヤ対応が難しく感じる最大の理由は、親がいつも“教えるモード”で戦ってしまうことです。
でも、子どもの感情が荒れている最中は、学習モードに入りません。
そこで、まずこの二択で整理します。
落ち着くのが先の場面(まず鎮める)
- 泣き叫ぶ・体を反らす・暴れる
- 呼吸が荒く、言葉が入らない
- 親もイライラが限界に近い
- 安全が脅かされる(飛び出し、叩く、物を投げるなど)
教えるのが先の場面(短く伝える)
- 落ち着いている/泣いていない
- 親の声が届く
- 同じ場面が繰り返されている(ルール化できる)
「叱るべきか迷う」だけを深掘りしたい場合は、こちらが役立ちます。
イヤイヤ期に叱るべき?叱らないべき?迷ったときの判断基準
基本原則1:まず“共感”はする。でも、要求は必ずしも通さない
イヤイヤ期で混乱しやすいのが、「共感=言うことを聞く」になってしまうことです。
共感は、要求を通すためではなく、子どもの気持ちを“言葉にしてあげる”ために使います。
例えば、こんな感じです。
- 「まだ遊びたかったんだね」
- 「自分でやりたかったね」
- 「急に変わるのイヤだったね」
そのうえで、やることは短く。
- 「でも今日は帰るよ」
- 「危ないから止めるよ」
- 「ごはんの前に手を洗うよ」
共感しているのに伝わらないと感じるときは、こちらで原因を整理できます。
共感しているのに伝わらない理由|イヤイヤ期の声かけが空回りする原因
基本原則2:「選択肢」は最強。親の願いを通しながら、子どもの“決めたい”も守れる
イヤイヤ期は「自分で決めたい」が強い時期。
そこで、全部を子どもに任せるのではなく、親が枠を作って、その中で選ばせるのがコツです。
具体例:
- 「靴はこれとこれ、どっちにする?」
- 「抱っこで行く?手をつないで行く?」
- 「歯みがき先にする?絵本を1冊読んでからにする?」
これで、親は必要な行動を守りつつ、子どもは「決められた」という感覚を得やすくなります。
選択肢の出し方を“使える形”で知りたい方は、こちらがそのまま役立ちます。
選択肢を出す声かけはなぜ効く?イヤイヤ期に有効な理由と使い方
基本原則3:長い説明は逆効果。言葉は「短く」「先に」「1つだけ」
イヤイヤ期の子に、正論で説得しようとすると泥沼になりがちです。
理由は簡単で、感情が荒れているときは、情報を処理する余力が残っていないから。
だから、伝えるときはこの3点を守ると失敗が減ります。
- 短く:1文〜2文で終える
- 先に:結論(やること)を最初に言う
- 1つだけ:あれもこれも言わない
「説明してるのに悪化する…」という家庭ほど、言葉が長くなりやすいです。
こちらの記事で“長い説明が効かない理由”を理解すると、切り替えが楽になります。
説明しているのに悪化する理由|親の話が長すぎると起きること
基本原則4:「ダメ」を増やすほど荒れやすい。止めるときは“代わりの行動”までセット
危ないこと・困ることは止める必要があります。
ただ、止めるだけだと、子どもは次に何をしていいか分からず、さらに荒れやすくなります。
そこで、「止める+代替」をセットにします。
- ×「走らない!」 → ○「ここは手をつなぐ。走るのは公園でね」
- ×「叩かない!」 → ○「叩きたくなったら、クッションをギュッとして」
- ×「投げない!」 → ○「投げたいならボールにしよう」
「ダメ」が増えすぎてつらい…というときは、言い換えの方向性を整理すると一気に軽くなることがあります。
イヤイヤ期に「ダメ」が増えすぎるとどうなる?|言いすぎてしまう理由と対処のヒント
基本原則5:「切り替え」は才能じゃない。見通しで作れる
「切り替えができない」こと自体は、2歳前後ではとてもよくあります。
ここで重要なのは、切り替えを“根性”でやらせないこと。
切り替えは、見通し(予告)でぐっと成功しやすくなります。
おすすめはこの3ステップです。
- 予告:「あと3分で終わり」
- 終わりの合図:「タイマー鳴ったら終わりね」
- 次の楽しみ:「終わったらおやつにしよう」
それでも難しいときは「切り替えが苦手な理由」を先に理解すると、無駄なバトルが減ります。
基本原則6:荒れているときは“その場を変える”のが早い(本人を変えようとしない)
イヤイヤが爆発しているとき、そこで説得し続けると、親も子も消耗します。
この状態では、言葉より刺激を減らす方が効きます。
- 人の目が多い場所 → 端に移動する/外に出る
- 音や光が強い場所 → 静かな場所へ
- 興奮が高い → 水分・抱っこ・深呼吸(親が)
「外出先で荒れる」を毎回繰り返す場合、原因が“外の刺激”に寄っていることも多いです。
外出先でイヤイヤが激しくなるのはなぜ?家では平気なのに荒れる原因と対処
基本原則7:イヤイヤは「波がある」のが普通。良くなったり戻ったりする
イヤイヤ期は一直線に楽になるわけではありません。
落ち着いたと思ったらぶり返す、場面が変わると再燃する…という“波”はとてもよくあります。
この波を「振り出しに戻った」と捉えると苦しくなります。
むしろ、波があるのは、子どもが新しい力を試している証拠でもあります。
「ぶり返し」に振り回されない整理の仕方は、こちらに詳しくまとめています。
イヤイヤ期は何回くる?一度落ち着いた後に再燃する理由
場面別:よく迷うところだけ“型”を作ると、毎日の消耗が減る
基本原則が分かっても、実際に迷うのは「いつも揉めるあの場面」です。
よくある場面を“型(テンプレ)”にして、使える形に落とし込みます。
1)切り替えができない:コツは「終わりの合図」と「次の一手」を固定する
切り替えが苦手な子は、「終わり」が急に来るとパニックになりやすいです。
だから、親の声かけより先に、終わりの合図(タイマー・歌・決まり文句)を固定します。
切り替えの型
- 予告:「あと3分」
- 合図:タイマー/“おしまいの歌”/時計を一緒に見る
- 次:「次は○○」を短く言う
- 2択:「歩く?抱っこ?」など最小の選択肢
声かけ例:
- 「タイマー鳴ったらおしまい。鳴ったね。次はお風呂」
- 「終わりの時間。歩く?抱っこ?」
- 「まだやりたいね。1回だけして終わろう」
「切り替えできない」が主役の悩みなら、2歳の発達背景まで含めてこちらで整理すると早いです。
【2歳】切り替えができないのはなぜ?|イヤイヤ期がひどくなる理由と対処法
2)外出前のグズり:準備は“説明”じゃなく“段取り”で勝つ
外出前に荒れるのは、子どもが悪いわけではなく、変化(着替え・靴・移動)の連続がしんどいからです。
この場面は、「なぜ出かけるのか」を丁寧に説明するより、段取りを短くして成功率を上げた方がうまくいきます。
外出前の型
- やることは3つまでに絞る(着替え→靴→出る)
- 「先に親が準備」を終えておく(親のバタつきは伝染する)
- 終わったら小さな楽しみを入れる(“出発後のご褒美”)
声かけ例:
- 「靴はこれとこれ、どっち?」
- 「着替え終わったら、外で電車見るよ」
- 「泣いててもいいよ。靴は履くよ」
「外出前に必ず荒れる」を掘り下げたい場合は、ここで原因のパターンを整理できます。
外出前になると必ず荒れる理由|準備段階で起きるイヤイヤ
3)テレビ・動画を消すと大荒れ:勝負は“消した後”より“消す前”
動画終了で癇癪が出るのは、依存というより切り替え負荷が高い刺激だから起こりやすいです。
この場面は、消してから説得するほど燃えやすいので、「消す前」を設計します。
- 終わりの時間を最初に決める(タイマー)
- 終わったらすぐ別の行動へ(移動・おやつ・風呂)
- 延長交渉をしない(毎回交渉すると習慣化する)
声かけ例:
- 「タイマー鳴ったら終わり。終わったらお風呂」
- 「延長はしない。終わったら抱っこで行くよ」
このテーマを単独で深掘りしたい方は、こちらがそのまま使えます。
テレビや動画を消すと癇癪を起こす理由|生活切り替えの難しさ
4)叱る・止める:守るべきは「安全」「人への加害」「物の破壊」
イヤイヤ期のしつけで混乱しやすいのは、「どこまで許していいの?」問題です。
ここはシンプルに、止める優先順位を決めておくとラクになります。
最優先で止める(即ストップ)
- 危険(道路に飛び出す、階段でふざける)
- 人への加害(叩く、噛む、蹴る)
- 物の破壊(投げる、壊す)
できれば止めたい(余力があるとき)
- わがままな言い方、癇癪そのもの
- 食べ方が汚い、だらだらする
止めるときは、長く叱らず「短く止めて、落ち着いてから戻す」。
この“戻す”が、親子関係をこじらせにくくします。
「止める/許す」の線引きをもう少し整理したい方は、こちらで具体例ごとにまとまります。
イヤイヤ期にできること・できないことの境界線
やってしまいがちだけど逆効果:イヤイヤ期で“燃えやすい”対応
上手な対応より、「やらない方がいいこと」を減らす方が、体感でラクになります。
ここはよくある地雷だけ、短くまとめます。
- 長い説教:内容が入らず、親の声量だけ上がりやすい
- 脅し・取引の乱発:「言うことを聞けば○○」がクセになる
- その場で白黒つける:感情が荒れているときは勝てない
- 親が“正しさ”で勝とうとする:関係が擦り減る
「つい感情的に叱ってしまう」悩みが強い方は、ここが刺さることが多いです。
(※この記事内では深掘りしすぎず、必要な方だけ読めるようにしておきます)
チェックリスト:迷ったときに見る“早見表”
考えすぎて動けなくなるときは、まずこれだけ見ればOKです。
| 状況 | 親がやること(最短) |
|---|---|
| 泣き叫ぶ/暴れる | 安全確保 → その場を変える → 声かけは短く |
| 「イヤ!」が止まらない | 共感は1回 → 次の一手(2択 or ルーティン) |
| 切り替えできない | 予告 → 合図 → 次の行動を固定 |
| 叩く/投げる | 短く止める → 距離を取る → 落ち着いてから戻す |
| 親が限界 | 戦わない場面を増やす/休む/一時撤退 |
親がしんどいときの基本原則:守る順番は「子ども→親→家の体裁」
イヤイヤ期が本当に辛いのは、子どもだけでなく、親の心身が削られるからです。
そして親が消耗すると、どんな正しい対応も続きません。
だからこそ、迷ったらこの順番です。
- 子どもの安全
- 親のメンタルと体力
- 家の理想・世間体
「今日はもう無理」と思った日は、できるだけ早く“戦いを減らす”方向に寄せていいです。
それは甘えでも、敗北でもありません。関係を守る選択です。
専門家の視点|精神科医が解説するイヤイヤ期の考え方
イヤイヤ期は、子どもの「自分で決めたい」という自立の芽が伸びる一方で、感情を調整する力がまだ追いつかない時期に起きる現象です。そのため、親が目指すべきは“その場で泣き止ませること”より、荒れたあとに安心へ戻れる経験を重ねること。短く止めるべきところは止め、落ち着いたら関係を戻す——この繰り返しが、長い目で見ると親子を一番楽にします。
育児に取り組むパパ・ママへ
毎日向き合っているだけで、もう十分がんばっています。うまくいかない日があっても、親子の関係は何度でも立て直せます。
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👉 目次:イヤイヤ期のすべて【完全版】|いつからいつまで?原因・対処法・年齢別・場面別まとめ

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