イヤイヤ期は親の育て方のせい?責めなくていい理由|発達の仕組みから見る本当の原因

イヤイヤ期は親の育て方のせい?責めなくていい理由|発達の仕組みから見る本当の原因

結論から言うと、イヤイヤ期は「親の育て方が悪いから起きるもの」ではありません。もちろん関わり方によって“こじれやすい/落ち着きやすい”差は出ますが、そもそもイヤイヤ期は脳と心が成長する途中で起きる、ごく自然な通過点です。

それでも、毎日イヤイヤに向き合っていると「私のせいかも」「ちゃんと育てられてないのでは」と思ってしまいますよね。
この記事では、罪悪感で検索した人がいちばん知りたい「なぜ親のせいじゃないと言えるのか」を、発達の仕組みから噛み砕いて説明します。さらに、今日からできる“こじらせない関わり”も具体的にまとめます。


「私の育て方が悪いのかも」と感じやすい3つの理由

まず前提として、罪悪感が出るのは珍しいことではありません。むしろ、真面目に向き合っているほど起きやすい反応です。

1)うまくいかない日が続くと「原因探し」モードになる

イヤイヤは、同じ対応でも日によって反応が違います。
だから親は「何が悪かった?」と原因を探し続け、最後に自分を責めやすくなります。

2)SNSや周囲の“うまくいってる家庭”が目に入る

実際にはどの家庭も波があるのに、見えるのは切り取られた一部分。
「うちだけひどい」と感じるほど、育て方のせいに見えてしまいます。

3)子どもがいちばん身近な相手に爆発しやすい

園では頑張って、家で爆発する子も多いです。
それは「親をなめている」よりも、いちばん安心できる相手に本音が出ていることが多いです。

「家でだけひどい」タイプに心当たりがあるなら、まずここを読むと安心材料が増えます。
園ではいい子なのに家ではイヤイヤが激しいのはなぜ?二面性の理由と対応


イヤイヤ期が「親のせい」ではない理由|発達の仕組みで説明します

イヤイヤ期の核は、ひとことで言うと「やりたい気持ちは強いのに、気持ちを整える力が追いつかない」です。
これはしつけ不足というより、発達段階の特徴です。

理由1:脳の“ブレーキ”がまだ育ち途中

子どもは大人のように、イライラしても「我慢する」「落ち着く」「切り替える」がまだ得意ではありません。
これは“意志が弱い”のではなく、脳のブレーキ役(感情を落ち着かせる仕組み)が発達途中だからです。

つまり、イヤイヤは「親の指導が足りない」ではなく、ブレーキが未完成な車で坂道を走っているような状態。
親ができるのは、ブレーキを“つける”ことではなく、安全に走れる環境を整えることです。

理由2:「自分で決めたい」が急に強くなる時期だから

1〜3歳は、自我(自分の意思)が急速に育つ時期です。
「自分でやる」「自分で選ぶ」が伸びるほど、止められたときに爆発しやすくなります。

この時期のイヤイヤは、困る一方で、実は発達的には“前進”でもあります。
イヤイヤが起きる根っこ(脳と心の成長)を、もう少し体系的に知りたい方は、こちらを先に読むと全体像がつかめます。
イヤイヤ期はなぜ起こる?脳と心の発達から見る本当の理由

理由3:子どもには「気持ちを言葉にする力」がまだ足りない

イヤイヤの多くは、本人の中では「理由」があります。
でも、言葉にできないから、行動(泣く・怒る・投げる)で表現されます。

このとき親が「ちゃんと言って!」と促しても、言葉がまだ追いつかないと逆に荒れます。
そこで有効なのが、気持ちを代弁する声かけです。
感情を言葉にできない子への声かけ|イヤイヤ期の気持ち代弁フレーズ


とはいえ「親の関わり」で悪化することはある?ここが誤解ポイント

ここがややこしいところです。
イヤイヤ期は親のせいではありませんが、関わり方によってこじれやすい/回復しやすい差は出ます。

つまり、

  • 原因:発達の仕組み(親のせいではない)
  • こじれやすさ:環境・親の対応・生活リズムなどで変わる

という整理がいちばん正確です。

こじれやすい関わり(やりがち)

  • 長い説教・長い説明(子どもは処理しきれない)
  • 「ダメ!」の連発(止められている感覚が強くなる)
  • 親の気分でルールが変わる(予測できず不安定になる)
  • 疲れているのに無理に予定を詰める(爆発しやすい)

特に「ダメ」が増えすぎると、親も子も追い詰められやすいです。理由と立て直しの方向性はこの記事が詳しいです。
イヤイヤ期に「ダメ」が増えすぎるとどうなる?|言いすぎてしまう理由と対処のヒント

また、「甘やかしたからこうなったのでは?」と不安になる人も多いですが、ここも誤解が入りやすいポイント。
“甘やかし”と“安心感”を混同すると苦しくなります。
イヤイヤ期は甘やかすと悪化する?よくある誤解と事実


「私のせいかも」を手放すための整理|原因・きっかけ・燃料の3点セット

罪悪感が強いときほど、「全部が自分の責任」に見えます。
そこで考え方を整理すると、気持ちが少し軽くなります。

区分 何に当たる? 具体例 親ができること
原因 発達の仕組み 自我の成長/ブレーキ未成熟 「起きるのは自然」と理解する
きっかけ スイッチ 終わりの場面、予定変更、待てない 予告・選択肢・見通し
燃料 悪化要因 睡眠不足、空腹、刺激過多、親の疲労 整える・減らす・休む

この表のいちばん重要な点は、「原因」は親が作ったものではないということです。
親が手を出せるのは、きっかけと燃料の部分。だから、親ができることはあります。けれど、それは「罪」ではなく、工夫の余地です。


今日からできる「こじらせない」関わり方|具体策5つ

ここからは、精神論ではなく、すぐ使える形でまとめます。
「全部できなくてOK」。一つでも、できそうなものからで十分です。

1)“止める言葉”を減らし、“してほしい行動”を短く言う

  • ×「ダメ!走らない!」
  • ○「歩こう」「手をつなごう」

否定を減らすのは甘やかしではなく、指示を分かりやすくする工夫です。

2)選択肢は2つまで+どっちでも親が困らない内容にする

「自分で決めたい」を満たすと、争いが減りやすいです。
選択肢を出す声かけはなぜ効く?イヤイヤ期に有効な理由と使い方

3)説明は“短く・一文”で切る(長くなるほど逆効果)

イヤイヤ中の子は、話を理解する余力がありません。
「納得させる」より「落ち着ける」のが先です。

4)生活リズム(睡眠・食事)を“親を責めない形”で整える

寝不足や空腹がある日は、ふだん我慢できることも崩れます。
これはしつけの失敗ではなく、脳のエネルギー切れのようなものです。
イヤイヤ期と睡眠・食事の関係|生活リズムが与える影響

5)荒れた後は「反省会」より「関係の修復」を優先する

落ち着いてから長い説教をすると、翌日も荒れやすくなることがあります。
終わった後の声かけで関係を立て直すコツは、こちらが実例多めです。
イヤイヤが終わった後の声かけが重要な理由|関係を立て直す言葉


「それでも不安が消えない」人へ|自責を軽くするチェックリスト

罪悪感は、事実より“気持ち”として残りやすいです。
そこで、頭の中が自責に傾いたときに戻れるよう、チェックリストにしておきます。

  • イヤイヤは発達の過程で、起きるのが普通
  • うまくいかない日があっても、それが親の価値を決めない
  • 荒れるのは「気持ちがある」証拠で、親子関係の失敗とは限らない
  • 親ができるのは“原因を消す”ことではなく、“燃料を減らす”こと
  • 今日は無理なら、明日整えればいい

もし「自分を責めるクセ」が強くてしんどいなら、こちらの記事がまさに同じ悩みを深掘りしています。
「自分の育て方が悪いのでは」と感じるのはなぜ?親が自責しやすい心理


「親のせいじゃない」と言い切れないケースはある?(現実的な線引き)

最後に、現実的な話もしておきます。
「親のせいじゃない」を強く言いすぎると、逆にモヤモヤする人もいるからです。

親の関わりが影響しやすいのは、例えば次のような状況です。

  • 怒鳴る・脅す・体罰が常態化している
  • 親が極端に疲れていて、反応が安定しない
  • 家庭内のストレスが強く、子どもが常に緊張している

ただ、ここで大事なのは、これは「親が悪い」というより、親が追い詰められているサインであることが多い点です。
責めるより、支えを増やす方向のほうが現実的に効きます。

もし「親が限界」で、対応の改善どころではないなら、まず守る順番を整理するのが先です。
親のメンタルが限界に近いときに最優先すべきこと|守る順番の話


専門家の視点|精神科医が解説するイヤイヤ期の考え方

イヤイヤ期は、子どもが「自分の意思」を持ち始めた証拠であり、同時に感情を整える脳の仕組みがまだ育ち途中であることから起こります。親の育て方が原因で発生するというより、発達の自然なプロセスとして起きやすい現象です。一方で、睡眠不足や刺激過多、親の疲労など“燃料”が増えると爆発は強く見えます。大切なのは、原因を親の責任に結びつけるのではなく、きっかけと燃料を少しずつ減らしていく視点です。うまくいかない日があっても、それは親子関係の失敗ではなく、発達の途中で起きる揺れの一部だと捉えてください。

育児に取り組むパパ・ママへ

「私のせいかも」と悩むほど、あなたは真剣に子どもと向き合っています。完璧じゃなくて大丈夫。今日を乗り切っただけでも十分です。

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👉 目次:イヤイヤ期のすべて【完全版】|いつからいつまで?原因・対処法・年齢別・場面別まとめ

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