イヤイヤ期はなぜ起こる?脳と心の発達から見る本当の理由
結論から言うと、イヤイヤ期は「わがまま」でも「しつけ不足」でもなく、子どもが“自分で決めたい”気持ちを持ち始める一方で、脳のブレーキ(感情の調整・切り替え)がまだ育ち途中だから起こります。
つまり、イヤイヤは成長の通過点。ただし、毎日の生活の中では「わかっててもつらい」ことも多いですよね。
この記事では、今いちばん知りたい「なぜ起きるのか」を脳と心の発達から噛み砕いて整理し、どう考えればラクになるか、そして今日からできる対応まで、現実的にまとめます。
イヤイヤ期が起こる“本当の理由”は3つ
イヤイヤ期の土台には、次の3つが同時に起きることがあります。
- ①「自分で決めたい」が急に強くなる(自立心・自己主張の発達)
- ② でも「うまくできない・思い通りにならない」(体の操作・見通し・経験がまだ少ない)
- ③ 感情を落ち着かせる力が未熟(切り替え・我慢・言葉で伝える力が追いつかない)
この3つが重なると、子どもの中では「やりたいのにできない」「わかってほしいのに伝えられない」が爆発しやすくなります。
だから「イヤ!」は、単なる拒否ではなく、成長途中の脳が出しているSOSのことが多いんです。
まずは「イヤイヤ期ってそもそも何?」を押さえたい方は、定義と意味を整理した記事も役立ちます。
イヤイヤ期とは何?定義と意味をわかりやすく解説
脳の発達から見る:イヤイヤが増えるとき、頭の中で起きていること
イヤイヤ期の説明でよく出てくるのが「前頭前野(ぜんとうぜんや)」です。
これは簡単に言うと、感情のブレーキ・計画・切り替えを担う場所。
ただ、1〜3歳ではここがまだ育ち途中なので、気持ちが盛り上がると止めるのが難しい状態になりやすいです。
| 脳・心の働き | できるようになってきたこと | まだ難しいこと | 起こりやすい“イヤ!” |
|---|---|---|---|
| 自我(じが)・自立心 | 「自分で」が芽生える | 失敗への耐性が弱い | 手伝われると怒る/やり直し要求 |
| 見通し(予測) | 習慣化した流れは理解できる | 急な変更・待つことが苦手 | 予定変更で崩れる/「今すぐ」が強い |
| 感情調整(ブレーキ) | 落ち着く経験が少しずつ増える | 興奮すると自力で戻れない | 癇癪が長引く/切り替えができない |
| 言語(ことば) | 単語〜短文で伝え始める | 複雑な気持ちの説明が難しい | 「イヤ!」だけで押し通す |
ポイントは、子どもはわざと困らせているというより、脳の仕組み的に“まだ難しい”が多い時期だということです。
「イヤ!」が増える子ほど、実は成長が進んでいるサインのことも
イヤイヤが強いと「うちの子だけ…?」と不安になりますが、強さには個人差があります。
同じ年齢でも、刺激に敏感だったり、こだわりが強めだったり、疲れが表に出やすいタイプだと、イヤイヤが目立ちやすいことがあります。
個人差が気になるときは、次の記事が整理に役立ちます(“心配のしすぎ”を減らす方向で読めます)。
イヤイヤ期が激しい子と軽い子の違いはどこから来る?
どう考えればいい?イヤイヤ期を“敵”にしない3つの捉え方
1)「拒否」ではなく「主張」だと考える
子どもの「イヤ!」は、親への反抗というより、自分の意思を外に出す練習であることが多いです。
もちろん毎回受け入れる必要はありませんが、まずは「主張しているんだな」と捉えるだけで、親の心が少し守られます。
2)「今はできないことがある」前提で、勝負を減らす
大人はつい、説明すればわかる/気合いで切り替えられる、と思いがちです。
でもこの時期は、そもそも切り替え・待つ・我慢が難しい。
勝負を挑むほど長期戦になりやすいので、勝たない設計が現実的です。
3)「親の評価」と「子どもの行動」を切り離す
外で泣き叫ぶと、周りの目が刺さって「自分がダメな親に見える」と感じますよね。
でも、子どものイヤイヤは親の点数ではありません。
親が守るべきは“完璧な対応”より、家庭が回ることです。
今日からできる:イヤイヤが起きやすい場面での現実的な対応
ここからは「理屈はわかった。じゃあ今夜からどうする?」に答えます。
全部やる必要はありません。効きそうなものを1つだけ選んでください。
まずは予防:爆発しやすい条件を減らす
- 空腹・眠気・疲れが強い時間帯は、要求を通しにくくなる
- 急がせる状況(出発直前・レジ前・寝る前)は揉めやすい
- 選択肢が多すぎると混乱して崩れやすい
生活リズムが関係しているかも…と感じる方は、こちらも参考になります。
イヤイヤ期と睡眠・食事の関係|生活リズムが与える影響
その場の対応:長期戦にしない“短い型”
イヤイヤが始まったら、親の中で次の順番を固定するとラクになります。
- 安全を確保(道路・階段・物を投げる場所から離す)
- 短く言う(説明は最小限。「今は◯◯だよ」)
- 選べる形にする(AかB、どっち?)
- 落ち着くまで待つ(落ち着いてから話す)
大事なのは、子どもが荒れている最中に「理解させよう」としないこと。
このタイミングは、脳が“考えるモード”より“戦う/逃げるモード”に寄りがちで、言葉が入りにくいです。
よくある場面別:1フレーズ例
- 着替え拒否:「着替えるのイヤだよね。赤い服と青い服、どっちにする?」
- 帰りたくない:「帰りたくないよね。あと滑り台1回?それともブランコ1回?」
- 買って要求:「欲しい気持ちはわかった。今日は見るだけ。写真撮る?」
- 手伝うと怒る:「自分でやりたいんだね。ここだけ手を貸してもいい?」
「癇癪っぽくて手に負えない…」と感じるときは、イヤイヤと癇癪の仕組みを分けて理解すると、対策が立てやすくなります。
癇癪が起きるのはなぜ?幼児の脳発達と感情コントロールの仕組み
「いつ終わるの?」が一番しんどいときに知っておきたいこと
イヤイヤ期は、一直線に軽くなるより、波がありながら少しずつ落ち着くことが多いです。
良くなったと思ったらぶり返したり、特定の場面だけ悪化したりして、「終わりが見えない」と感じやすい構造があります。
「長引いている気がする」「出口が見えない」と感じるときは、こちらの記事が不安の整理に役立ちます。
イヤイヤ期が長引くのはなぜ?終わりが見えないと感じる理由
チェックリスト:親がラクになる“環境の整え方”
対応スキルより、環境でラクになることが多いです。できるものだけでOKです。
- 朝の準備は10分前倒し(急かしを減らす)
- 選択肢は2つまで(多いほど揉めやすい)
- 外出前に軽食・水分(空腹で崩れやすい子は特に)
- 予定変更がある日は最初に宣言(後出しで荒れやすい)
- 親のHPが低い日は“最低限で回す日”と決める
イヤイヤ期は、親の努力だけで消せるものではありません。
でも、削れる火種は意外とあります。
専門家の視点|精神科医が解説するイヤイヤ期の考え方
イヤイヤ期は、子どもが「自分」という輪郭を作っていく過程で起きる、自立心と未熟な感情調整がぶつかる現象です。重要なのは、親が“正しい対応”を毎回当てることではなく、親子が壊れずに日々を回すこと。うまくいかない日があって当然です。
育児に取り組むパパ・ママへ
今日ここまで読んだ時点で、もう十分がんばっています。
うまくできない日があっても、あなたの価値が下がるわけではありません。
この記事が役に立ったら、他の記事も参考にしてみてくださいね。
👉 目次:イヤイヤ期のすべて【完全版】|いつからいつまで?原因・対処法・年齢別・場面別まとめ

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